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Ugolini; 吉川 信治; 小澤 健二
PNC TN9410 95-253, 13 Pages, 1995/10
本報告書は、ニューラルネットワークに基づいたモデル適応制御システム(MRACnn)の、高速増殖炉用ビルディングブロックタイプ(BBT)シミュレータへの実装について述べる。本報告の目的は、この制御手法が高速増殖炉もんじゅの3基の蒸発器の出口蒸気温度の制御性能をなお一層向上させることを、BBTシミュレータを用いて示すことである。MRACnnシステムとBBTシミュレータは、外部共有メモリを両者がアクセスすることにより結合された。その上で、MRACnnシステムは、BBTシミュレータで構築されたもんじゅプラント内のPID制御システムに替わって給水調整弁の開度を算出して蒸発器を制御している。MRACnnは2種類の実験を通じて評価された。その1つは、1ループの蒸発器のみをMRACnnで制御して他の2基の蒸発器は従来のPIDシステムによって制御する実験であり、他方は3基の蒸発器全てをMRACnnで制御する実験である。双方の実験で、対象とした全ての過渡条件下で、MRACnnが蒸発器の蒸気出口温度をPIDよりも設定値に近く保つことが確認された。
Ugolini; 吉川 信治; 小澤 健二
PNC TN9410 95-210, 11 Pages, 1995/09
蒸気発生器の出口蒸気温度の正確な制御は、原子力発電所の水/蒸気系全体の性能を向上させるために重要である。本報告書では、制御対象の挙動予測及び制御対象の上流で時間的に先行して観測される境界条件をニューラルネットワークによって制御信号に反映させるアルゴリズムについて述べる。このアルゴリズムはニューラルネットワークを用いたモデル適応制御法(MRACnn)に組み込まれている。MRACnnが原子炉の蒸気発生器のような非線形な機器をも制御できることは既に報じられているが、MRACnnシステムの性能向上のためにニューラルネットワークの特性を更に利用する手法については今まで考えられてはいなかった。本報告書に述べるMRACnnの改良型は高速炉プラントシュミレータと接続して、蒸気発生器出口蒸気温度の制御に用いられた。この結果、制御対象の挙動予測及び制御対象の上流で時間的に先行して観測される境界条件を制御信号に反映させることが制御性能を向上させることを確認した。
吉川 信治; 大草 享一; 小澤 健二
PNC TN9410 95-035, 19 Pages, 1995/03
本報告書は、多層構造を有するニューラルネットワークに、出カ変数の入力変数に対する微係数を同時に出力する機能を付加する手法を開発、堤案するものである。多層構造を有するニューラルネットワークは、非線形の多変数関数を比較的容易に学習させられること、構築が容易なこと等の理由から、近年ますます広範囲の目的に使用されている汎用の関数学習/発生器である。しかしながら、学習の終了したニューラルネットワークが発生する関数の、特定の入力変数に関する感度解析等は、近接した2点での出力値を用いた計算によって行われるのが通常であり、非線形性の強い場合でも精度を確保できる微係数導出法が求められてきた。筆者らは、ニューラルネットワークの各ノードの特性関数として用いられるシグモイド関数が、微分値が自らの多項式で表現されることに着目し、通常のニューラルネットワークの処理に、四則演算のみを組み合わせた処理を付加することで、出カ変数の入力変数に対する微係数を同時に算出する機能を実現する手法を開発した。